将棋が強くなるためには③棋譜並べ

将棋の三大勉強法の3つ目です。
※あとの2つは以前書きました。そちらもお読みいただけると幸いです。
参照:将棋が強くなるためには①実戦将棋が強くなるためには②詰将棋

「棋譜並べ」は、主にプロ公式戦の棋譜を、初手から投了まで盤に並べて鑑賞します。プロ棋士は蓄積した知識をどのように運用しているのか、序盤・中盤・終盤それぞれの場面でどのような駆け引きが行われているのかを知ることができます。

序盤は作戦の選択、構想、工夫が詰まっており、定跡の見本でもあります。水面下での研究会やソフト研究の成果が詰まっているので、有力視されている形を知ることができます。

中盤はじりじりした押し合いもあれば、華々しい切り合いもあります。「手待ち」をして、タイミングを見計らうこともあります。そのため、球技だったり格闘技だったりのようにも見えることがあります。その中で、手筋の宝庫で、基本・応用さまざまなレベルの手筋が見られます。

終盤はアマチュアと最も差がつく部分です。常に厳しい速度計算がなされています。その中で、谷川浩司十七世名人の「光速の寄せ」のような決め手がさく裂することもあれば、羽生善治九段の「羽生マジック」のような逆転もあります。

変化無限と評される将棋においては、さまざまな内容の将棋を体感することは上達に欠かせません。自分自身の実戦対局は最も重要ですが、1局に時間をかけて対局すると数をこなせず、早指しだと質が下がるのが課題となります。そこで、棋譜並べが効果を発揮します。自分も手を考えながら棋譜を鑑賞することで、比較的短時間に質の高い将棋にたくさん触れることができます、そういう訳で、アマチュアが上手の手に学ぶだけでなく、実力互角のプロの世界でも棋譜並べがいまだに行われています。

「ひふみん」こと、元名人の加藤一二三九段もしっかりと棋譜並べをする棋士です。“羽生さんや大山名人の将棋なんかでも、だいたい5、6回棋譜を見て、何回も並べ返し・・・”と語っています。

タイトルとURLをコピーしました