藤井聡太名人誕生!

藤井聡太竜王が渡辺明名人を挑戦する、第81期名人戦七番勝負第5局が、5月31(水)、6月1日(木)に長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」で行われました。

1-3のカド番で後がない渡辺名人は、この先手番を断固勝ちたいところ。

渡辺名人は矢倉を選択、後手の藤井竜王は雁木を選択しました。
双方角換わりを選ばなかったのが数か月前とは全く違う点ですね。この理由としては、渡辺名人は角換わりで先手を持つのは準備の負担が大きすぎると見ているため。藤井竜王は最近AIの出した「角換わり先手必勝」の結論をふまえたものと思われます。それにしても矢倉対雁木とは、歴史ある名人戦にふさわしい戦型という気がします。

内容としては、駒組みが完成した段階では先手やや模様良し。その後の仕掛けで、先手から有力そうな攻めがいくつかあるところを間違えたようです。

後手藤井竜王の、先手がミスしたら一気に押し切ってしまう間合いの作り方は見事でした。第4局もそうでしたが、相手に猛烈に攻められて危なそうなところをギリギリで耐える形をつくり、正確な反撃を決める技術は、まさに名人にふさわしい技だと思います。

近年プロアマ問わず、大差の局面でも投了せずに、詰まされるまで指す傾向がありますが、渡辺名人の、棋譜を汚さない見切りは見事でした。その力があるからこそ、中盤を乗り切れなかったことがくやしいのが見て取れました。

これで藤井竜王が名人を奪取しました。将棋盤のマス目と同じ数字の第81期の名人で、なおさら特別な感じがします。

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