攻めか、受けか。

受講生の将棋から。前回の将棋の続きです。大分すすんで以下の局面に。

図は先手の言い分が通り、後手が苦しい局面です。

ここに至るまでに、先手は▲7六歩と角道を開けました。戦いの流れを見て、引き角に固執せず中央で使うことを選択したわけですね。

後手はなんとか食らいつこうと図の△5七銀。ここで先手は▲2三竜と攻め込みました。この手も悪い手ではありませんが、もう少し落ち着いてもよかったかもしれません。竜は2八のままなら非常に受けに利いていたからです。

▲2三竜に代えて▲7五角なら、銀取りかつ敵玉をにらむ攻防手でした。銀取りを受けたら、そこで▲2三竜が「詰めろ」で入ります。あるいは、もっと露骨に▲4七金とするのもありそうで、△4六銀打▲同金△同銀成と進めば、打った銀が遠ざかります。これらのような、「攻め駒を攻める(責める)」手は、ぜひ覚えていただきたいところです。

本譜は▲2三竜に△4七歩。詰めろです。

1図とくらべてみてください。2八竜がいた方が、大分受けやすかったのがわかると思います。まだ先手が余していそうですが、実戦的には大分差が縮まっていると言えそうです。

結局、本局は後手の攻めがつながってしまい、先手の逆転負けとなりました。

優勢な時こそ、攻めと受け両方の展開を比較してみてください。

※2023.8一部誤りを訂正しました。

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