第80期名人戦七番勝負第5局二日目

終盤は双方ともに成駒をすり寄っていく展開で、玉までの距離を測るのが大変という将棋になりました。

はっきりと勝負のポイントを見つけにくいのですが、渡辺明名人の方が、先に上部脱出のメドが付いたので、勝ちやすくなったと思います。以下は、渡辺名人が押し切りました。

斎藤慎太郎八段はもちろん十分に準備してきたはずですが、どうしても、力が出たとは言い難いシリーズでした。

これで、渡辺名人は、3連覇となり、「実力制第○代名人」の称号を確実にしました。もちろんこの後は、2期以上獲得して、江戸時代の名人に連なる「永世名人」、すなわち「二十世名人」の称号を獲得したいところでしょう。

もちろんその道中には、今回の斎藤八段のみならず、他のA級棋士たち、とくに藤井聡太五冠が立ちはだかってきます。

本局においては、渡辺名人が、変化手順の中で敵玉の詰みを見落としていたとのことです。これはもちろん、トップ棋士にもあり得ることですが、その分負担が増えることになりました。異次元の詰将棋能力を誇る藤井五冠との対決が想定されることを考えると、不安を残したのは間違いないと思われます。

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