第80期名人戦七番勝負第3局二日目

前回、「封じ手周辺に注目」と書いたのですが、渡辺明名人の封じ手のタイミングは完璧でした。相手の応手がほぼ確定できる手を封じたので、後の展開を具体的に一晩考えることができました。

ちなみに渡辺名人は2日制タイトル戦に22度登場し(2022年5月現在)、100局以上指しているので、封じ手も100回以上経験しています。文字通りの百戦錬磨です。

途中は大分差がついているという評価でしたが、有利なはずの先手が指し手に迷うことが多く、結局、名人の方が崩れてしまいました。

「名人に定跡なし」と言う言葉はあるのですが、やはり棋風と言うものもあります。憶測になってしまいますが、本局は、研究の範囲内だったとしても、渡辺名人の好みとは違う形だったのではないでしょうか。これが方針の見え辛さにつながったような気がしています。

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