「詰めろ逃れの詰めろ」は超強力

受講生の将棋から。

先手は駒損で荒っぽく捌いたため、はっきり不利に。なんとか攻めをつづけて、図の局面は詰めろで迫っています。

しかし、ここで後手△6六馬がぴったりでした。これは▲3三竜以下の詰めろを受けつつ、先手に△3八成桂以下、手数は長いですが詰めろをかけており、「詰めろ逃れの詰めろ」です。これは速度が逆転するので、非常に強力な手となります。

さて、△6六馬の局面は正直敗勢だと思いますが、ここでの実戦的な判断は分かれるところだと思います。すなわち、相手が詰ましきれないことを祈って詰めろをかけるか、しんどくても受けるかです。これは非常に難しいところ。

ここで▲3三桂成とすると、△同馬には▲2五金が厳しく、自玉の詰みも消えるので一転して勝ちになります。ただ、▲3三桂成は王手ではないので、詰まされて先手負けです。

本譜は▲4八金として、詰めろを受けつつ、△同馬なら▲3三竜以下の詰みを狙いましたが、△3二金としっかり受けられ、攻めが切れてしまいました。ただ、そこから、粘り強く将棋を続行し、相手のミスもあり再逆転。結論を急がなかったことが実を結んだケースでした。

タイトルとURLをコピーしました