第70期王座戦五番勝負第3局の感想

9月27日(火)に第70期王座戦五番勝負第3局が行われました。

戦型は角換わりで、先手永瀬拓矢王座が早繰り銀を志向すると、後手豊島将之九段も早繰り銀で対応し、相早繰り銀となりました。

先手永瀬王座が玉側の端歩を受けなかったのに対し、後手豊島九段は端歩を突き越しました。後手番かつ端に2手かけているので、手の遅れが気になりますが、居玉にも利があるとみているのでしょう。

前局と同じく超ハイペースで進み、開始から30分ほどで50手も進みました。
特に永瀬王座はその後もほとんどノータイムで、この形なら研究し尽くしているという自信がうかがわれます。

72手目の後手34歩が大悪手で、ほとんど敗着となりました。この時点での消費時間が、先手10分、後手1時間。34歩の1手にかけた時間が20分というのは、持ち時間5時間からすれば、時間配分がおかしい感は否めません。結局、永瀬王座の消費時間は終局時でも2時間を切っていました。

現代将棋では研究将棋が避けられないのは承知ですが、せっかくの舞台、せっかくの持ち時間が活きない展開は、やはり味気なく思えます。

カド番に追い込まれた豊島九段が力を発揮する展開に期待します。

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