お~いお茶杯第63期王位戦七番勝負第4局の感想

24・25日(水・木)に、徳島市「渭水苑」にて、王位戦第4局が行われました。

戦型は角換わり腰掛銀になりました。本シリーズでは4局連続となる角換わりです。
例によって先後同形をはずす後手豊島将之九段の手待ちに対して先手藤井聡太王位も手待ちで対抗。玉の位置取りを変えるにあたって、1手で移動できるところに2手かけるいわゆる「三角法」が含まれており、実に複雑です。

微妙なタイミングの銀ぶつけから銀交換となり、たがいに角銀を手持ちにして神経を使う展開かと思いきや、藤井王位は▲47玉の「中段玉」に構え▲5五歩の「天王山」の位取りと、大模様を張ります。

豊島九段は封じ手で銀損で飛車先を破る攻めを敢行。乱暴なようですが、相穴熊戦でみられる手筋です。

8筋が破られ竜に侵入されては、藤井王位の方が忙しそうでしたが、▲5六角が好手でした。角の頭は歩だけで守っているので、不安定なようで見えましたが、この角は終局まで居座り、攻防に恐ろしく働きました。

そして最終盤、藤井王位勝勢のところで、最速の▲4一銀。寄せの手としては「玉は下段に落とせ」で普通の手ですが、自玉も危なく、すべての変化を読み切る必要があります。控室の棋士達も驚いたようです。一般に普及している将棋ソフト水匠5なら22億手を読み込ませてようやく出てくる手だという話もありました。

藤井王位はタイトル戦にふさわしい妙手で勝利を決め、防衛まであと1勝としました。

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