里見香奈女流五冠棋士編入試験五番勝負第1局の感想

18日に、里見香奈女流五冠の棋士編入試験第1局が行われました。
試験官の徳田拳士四段は初の山口県出身の棋士で、同志社大OBです。
大変な研究家とのことで、今期公式戦はこれまで12勝1敗。強敵です。

戦型は徳田四段の居飛車に里見女流五冠は得意のゴキゲン中飛車でした。
振り飛車側の飛車先交換に対し、居飛車が逆に押し返して抑え込みを狙う展開になりました。
徳田四段には積極的な手が多く、一歩間違えば崩壊しそうに見える陣形でもまとめきれるとみているところに、好調と自信の程がうかがわれます。

振り飛車側は、そのまま厚みを作られる完封されるので何とかさばいていきたいところでしたが、大きく駒損の残る順になってしまい、投了に追い込まれました。

里見女流五冠からすると窮屈な将棋で、少々悔いの残る敗戦だったのではないかと思います。実は形勢互角で捌ける順があったようで、解説の神崎健二八段も指摘していただけに、惜しい気がします。

とはいえ、大舞台を何度も経験している里見女流五冠です。この1局でだいぶ様子がつかめたのではないでしょうか。第2局は9月に予定されており、その時には持ち味の粘りと終盤の切れを発揮されることと思います。

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