戦型は角換わりになりました。
少し古い形に見えましたが、おそらく、一つ一つの手順が現代将棋の変化をふまえた上で選択されたものでしょう。先手の手順は、平成前期の基本書「羽生の頭脳」の駒組みに近いものを感じました。AIが発達して、かえって過去の将棋が再発見されてきているのが、面白いところです。
一日目の封じ手直前まで藤井聡太王位の方が2時間ほど多く使っていましたが、
豊島将之九段が封じた時点で1時間差に縮まりました。
二日目は豊島九段の方に長考が多く、昼食休憩をはさんで3時間を超す長考もありました。
この時間の使い方を見ると、豊島九段はずっと指し辛さを感じていたのだと思います。
評価値的には、仕掛けの直後に疑問手が出ていたようですが、これは控室の検討陣も有力視していた手でした。普通はまだまだこれからというところだと思います。しかしその後、藤井王位は間違えることなく、じわじわ差が広がっていきました。
王位戦も棋聖戦も、第1局を挑戦者が制し、研究の深さに驚かされたものでした。その尋常ならざる研究量の背後には、リードを奪いたいという積極的意味はもちろんですが、悪くしてしまうと藤井王位は本当に間違えてくれないというプレッシャーがあるのかもしれません。
