第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局の感想

先手番の永瀬拓矢王座は何としてもここで勝ち、最終局に持ち込みたいところ。

戦型は相掛かりになりました。
流行の形から藤井聡太棋聖に新手が出ました。
歩切れで歩損の順。しかも嫌な所に相手の歩が残ります。
ベテラン棋士は、理解不能と表明していました。

永瀬王座もこれならリードを奪えそうだと、時間をかけましたが、良くする順は見つけられず、
局後の検討でもはっきりした順は出てきませんでした。
一見味が悪いようでも成立すると見た、藤井棋聖の大局観が光ります。

そこからしばらくして、永瀬王座の側に▲9七桂の疑問手が出て形勢が傾きました。
わずかなリードでも、藤井棋聖は徐々に差を広げてきます。
危険そうな形になっても、自玉の安全度の測り方が正確です。
この将棋に勝って棋聖防衛、3連覇となりました。

永瀬王座は残念でしたが、強くなることにすべてを捧げている棋士。また、タイトル挑戦を勝ち取ってくるなるでしょう。その時には、どのような構想で臨むのか、楽しみに待ちたいと思います。

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