棋士の強さをはかるには、勝率や勝数、アマチュア有志が公式記録から算出した棋士レーティングなどと言うものもありますが、何よりも順位戦のクラスを見るのがわかりやすく、わけてもA級は特別な重みがあります。「JT杯」のようにタイトルホルダーとA級しか出られない棋戦もあるくらいです。
藤井聡太竜王はデビューから毎年八割以上の勝率を誇りますが、対A級棋士の通算勝率は七割程度まで下がります。特に、豊島九段に大変苦しめられたのが有名です。
このように、たとえタイトルを持っていても、A級にいないと正真正銘のトップとは言い切れない感じがあります。
藤井聡太竜王は、「５つのタイトルを持つB1棋士」という据わりの悪さを、今回の昇級によって解消したとも言えると思います。
